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院長コラム「人はなぜ糖尿病になるのか」

= がんばれインスリン! =

今の時代、糖尿病は我々にとって身近な病気になっています。

厚生労働省の平成28年(2016)「国民健康・栄養調査」によると、「糖尿病が強く疑われる者」の割合は、12.1%であり、約1,000万人と推計されます。また「糖尿病が強く疑われる者」のうち、現在治療を受けている者の割合は76.6%となります。

そして糖尿病はパンドラの箱のようなもので、色々な合併症があります。深刻な場合、失明、足切断、腎不全、透析などにつながる可能性があります。

元々健康であった人はなぜ糖尿病になるのでしょうか。

「糖=細胞のごはん」「インスリン=配達員」

では、まず血糖のことからお話します。

人間と同じように、体の細胞は甘いものが大好きです。「甘いもの=糖」は細胞のエネルギーの源、すなわち「細胞のごはん」です。

そして、我々の腸と胃は「加工工場」のように、食べた物をブドウ糖に変えます。ブドウ糖は血管に入り、血糖になり、あなたの体を循環します。

同時に、「ごはん」の匂いを嗅ぎつけて、お腹を減らした60兆個の細胞が、必死にごはんを注文し始めます。そこで「デリバリーの配達員」が来て、ごはんを届けます。この配達員たちはインスリンです。インスリンが来なければ細胞は空腹に耐えなければなりません。

余った血糖はインスリンによって肝臓に送られ、一時的に蓄えられます。そして肝臓では、血糖は脂肪に変換され、送り出されます。

インスリンは一生懸命に働き、時間通りに、注文を間違えることなく細胞に「ごはん」を届けます。しかし、我々はついつい暴飲暴食してしまいます。こんなに多くの糖を、私たちの細胞は果たして吸収できるでしょうか。

ついにインスリンが大変なことに・・・

ある日、配達員のインスリンは、いつものように、細胞に食べ物を届けにきましたが、誰もドアを開けてくれず、門前払いされました。これはいわゆるインスリン抵抗性です。そこで仕方なくインスリンは、血糖を肝臓に運ぶこととしますが、脂肪がたくさん蓄積された肝臓は、血糖代謝の負担が多くなり大量の糖を保存できなくなりました。インスリンは配達も保管もできず、糖は血液内であふれてしまいます。

インスリン本部である膵島は警報を鳴らし、戦闘状態に入り、危機を救うためにスタッフ全員が派遣されました。インスリンは大量投入され、ドアからドアへとノックして必死となって血糖を配ります。最初効果はありましたが、そのうちに血糖が溢れ、血糖値の上昇を抑えきれなくなります。この状態が2型糖尿病です。

一生のお付き合いとなる「糖尿病」

2型糖尿病の主な原因は悪い食習慣と遺伝的要因にあります。これらはインスリン抵抗性を引き起こし、血糖値を下げにくくします。現在の医療レベルでは、糖尿病を根治する方法はありません。
一旦糖尿病になったら生涯にわたり観察や治療を続けなければなりません。従って、糖尿病にならないようにするのが大事なのです。

あかねクリニック院長 陳瑛超
糖尿病専門医

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